日本食品科学工学会誌
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43 巻, 4 号
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  • 山下 市二
    1996 年 43 巻 4 号 p. 339-346
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 壷酢に関する研究(第3報)
    小泉 幸道, 橋口 和典, 岡本 章子, 柳田 藤治
    1996 年 43 巻 4 号 p. 347-356
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    壼酢の発酵醪より,乳酸菌,酵母,酢酸菌を分離して同定を行い,壺酢製造における微生物のフローラを調べた.
    (1) 壺酢発酵中の乳酸菌叢については,仕込み1, 5, 10, 20, 30日目の発酵醪より,計230株の乳酸菌を分離して同定試験を行った結果,仕込み5日目はL. plantarumが主勢菌株で,10~20日目ではL. casei subsp. caseiが増殖し,30日目ではL. coryniformis subsp. coryniformisが68%を占め,残りはL. sakeが20%, L. brevisが12%であった.仕込み1ヵ月間で乳酸菌は,3種類の菌種の交代があった.
    (2) 壺酢発酵中の酵母菌叢については,仕込み5, 10, 20, 30日目の発酵醪より,計110株の酵母を分離して同定試験を行った結果,全ての分離菌株はS. cerevisiaeであり,発酵初期のエタノール生成に大きく関与していることが分かった.
    (3) 壺酢発酵中の酢酸菌叢については,仕込み45, 60, 75, 90, 120日目の発酵醪より,計150株の酢酸菌を分離して同定試験を行った結果,各試料共A. pasteurianusが65~81%と主勢菌株で,A. acetiが18~35%の割合を占めていた.
    (4) 壺酢製造における微生物菌叢については,仕込み初期には同定された乳酸菌により,1%前後の乳酸が生成され,雑菌の増殖を防いでいる.乳酸の生成と同時に酵母のS. cerevisiaeが増殖し,アルコール発酵が行われ,アルコールが生成される.アルコール生成が終了すると,酢酸菌のA. pasteurianusが主勢で,A. acetiも増殖し酢酸発酵が行われ,酢酸が生成される.このように壺酢製造における微生物菌叢を明らかにした.
  • ワサビ中のカラシ油類の安定化に関する研究(第2報)
    衛藤 英男, 横田 正, 川瀬 達也, 木島 勲, 伊奈 和夫
    1996 年 43 巻 4 号 p. 357-361
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    沢ワサビ中の特徴成分である6-メチルチオヘキシルカラシ油に対する各種添加物の添加効果を検討した.
    1. 6-メチルチオヘキシルカラシ油は,自動酸化ではなく酵素によって酸化されることが分かった.
    2. α-トコフェロールおよびローズマリーの添加によって6-メチルチオヘキシルカラシ油は安定化された.
    3. α-トコフェロールにアスコルビン酸を加えることによって,6-メチルチオヘキシルカラシ油の安定化効果はさらに増大した.
    4. アリルカラシ油に対しても効果がみられ,トコフェロール(0.5%)とアスコルビン酸(0.5%)の添加が効果が最も高く,官能検査の結果(10℃, 4日後)でも,風味に変化はなかった.
  • 松井 利郎, 中尾 聡明, 深町 征臣, 鹿田 憲子, 下田 満哉, 筬島 豊
    1996 年 43 巻 4 号 p. 362-367
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    自己溶存酸素消費系の構築を目的としてEVOHフィルムヘのAO固定化を行い,作製したAO固定化フィルムの実試料への適用性を検討した.
    1) 固定化AO活性は30℃, pH 6.0で最大(1.14mU/cm2)となった.
    2) 固定化AOは過酷な条件下においても活性を保持し,pH 4.0で最大時の約48%, 10℃及び60℃においてもそれぞれ約91%及び49%の残存活性を示した.
    3) ミカエリス定数,最大反応速度はそれぞれ522.7μM, 10.5mU/cm2であった.
    4) 柑橘系飲料に相当する試料溶液(2.5mM L-アスコルビン酸,pH 4.0)中の溶存酸素は本固定化フィルムにより4時間以内で85%以上が除去された.
    5) モデルフレーバー溶液中の香気成分は本固定化フィルムにより有意に保持され,リモネンについては貯蔵28日目でコントロールの2.5倍の残存率を示した.
  • 宮原 晃義, 結城 昌夫, 四元 康博, 森地 敏樹
    1996 年 43 巻 4 号 p. 368-373
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    熱伝導率の測定法には定常法と非定常法がある,挽肉(牛肉,豚肉,鶏肉)に脂肪を配合して平行熱源法と線熱源法を用いて5~60℃の温度域における熱伝導率を測定した.
    その結果,平行熱源法では温度上昇に伴って熱伝導率がわずかに上昇する傾向が観察されるのに対し,線熱源法では温度上昇による影響が少ないことが認められた.また,水分含量と熱伝導率との間には正の指数比例関係,脂肪含量と熱伝導率との間には負の指数比例関係があり,この2成分因子から熱伝導率を求める推定式は牛肉では次のとおりであった.
    ただし,λp, λhはそれぞれ平行熱源法及び線熱源法による熱伝導率(W/(m・K)),x1…水分(%),x2…粗脂肪(%).
  • 吉田 秋比古, 森田 茂, 斎藤 穣
    1996 年 43 巻 4 号 p. 374-381
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    魚肉に臭素酸カリウムを添加して加熱した場合の工タナールの生成原因物質について検討したところ,次の結果を得た.
    1) サバ肉に臭素酸カリウムを添加して加熱した場合,エタナールとアセトンの発生が見られた.過酸化水素を添加した場合では臭素酸カリウムより多くのエタナールとアセトンが発生した.次亜塩素酸ナトリウムを添加した場合ではエタナール,イソブタナールおよび2-メチルブタナールが発生した.
    2) 白身魚,血合肉,鶏卵,牛乳では全くエタナールの発生がみられず,マイワシ,マグロ,ブリなどの赤身魚で多量の工タナールが発生した.
    3) エタナールの発生はホモジネートのpHが7以下,加熱蒸留温度70℃以上で見られた.
    4) エタナール生成原因物質は脂溶性物質ではなく,水溶性物質で赤身魚に多く含まれ,白身魚にはほとんど含まれていない物質であると考えられる.また,何らかの複数成分の存在がカルボニル生成の必要条件であると考えられる.
    5) 試験した香辛料すべてがエタナールの発生を大きく抑制した.
    6) 亜硫酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウム,マルトールなどの還元性物質はエタナールの発生を抑制し,酸化防止剤,サイクロデキストリン,アミノカルボニル反応防止剤は抑制効果を示さず,エタナールの生成はアミノカルボニル反応の際に起こるストレッカー分解によるものではないことが明らかになった.アスコルビン酸はエタナールの発生を大きく促進した.
  • 恩田 匠, 小宮山 美弘, 乙黒 親男
    1996 年 43 巻 4 号 p. 382-387
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    近赤外分光法により,スモモ果実の追熟過程の時系列的な解析を行い,以下の結果を得た.
    (1) スモモ果実の近赤外吸収スペクトルは,追熟にしたがい,そのベースラインが顕著にシフトした.このベースラインシフトは,果実の構成細胞間の中層組織が肥大したことで,近赤外光の吸収深度が深くなったことに起因するものと考えられた.
    (2) 上のベースラインのシフトとは無関係に,1410nm近傍の吸収ピークは著しい増大を示した.これは,帰属される化学成分を特定できないが,果実のアルコール不溶性固形物に含まれる果実細胞成分の変化に関する情報を反映した結果であると考えられた.
    (3) 近赤外法における検量線は,作成する果実の熟度の影響を受け,精度が低くなることが分かった.
    (4) 検量線作成時に熟度の異なる果実を供試することで,熟度の影響を補正できる検量線を得た.
    (5) 近赤外法による果実硬度測定の原理は,果実の物理的特性の変化によるベースラインのシフトなどの果実硬度に関する情報を捉えた結果ではないかと思われた.
  • 中川 禎人, 山下 民治, 三浦 光
    1996 年 43 巻 4 号 p. 388-394
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    超音波周波数19.5kHzの超音波乾燥装置を用いて,スケトウダラの冷凍すり身をモデルとして超音波の乾燥効果を検討した.
    1) 空気流速度が大きくなるに従い,超音波非照射の場合は乾燥速度は直線的に増加したが,超音波照射の場合は直線的に増加した後,急激な増加を示した.
    2) 超音波の音圧レベルが150dB(粒子速度1.50m/s)以上になると,超音波による乾燥効果が顕著になった.
    3) 音圧レベルが155.5dB(粒子速度3.00m/s)における乾燥速度は,超音波非照射の場合と比べて最大で6倍(30℃),最小で2.5倍(50℃)であった.
  • 綾野 茂, 三宅 正起, 伊福 靖, 石川 洋哉, 下田 満哉, 筬島 豊
    1996 年 43 巻 4 号 p. 395-399
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ミクロバブル超臨界炭酸ガスを用いて,生理活性物質として注目されているリモノイドの抽出を行った.本法は従来の超臨界炭酸ガス抽出に比べて,飛躍的に抽出効率の良いことが示された.圧力25MPa,温度35℃, CO2流量4g/minおよび抽出時間60minの条件下で,リモノイドの抽出率は,抽出原料として夏ミカン果汁を用いたときは92.5%,夏ミカン種子から調製したリモノイド抽出液を用いたときは42.4%であった.後者については,メタノールをエントレーナーとして用いることで抽出率は73.2%まで増加した.
  • 焼麩の製造に関する基礎的研究(第2報)
    村瀬 誠, 水谷 哲也, 杉本 勝之
    1996 年 43 巻 4 号 p. 400-403
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    膨化物を時間を変えて焼成し,その微細構造を観察した.床板と接した部分では気泡が上方へ向かって成長しており,また表皮の近くでは中心から表皮の方へ向かって成長した気泡が表皮によって成長を妨げられているのが観察された.こうしたことから,膨化物の膨化組織は床板から伝えられる熱により形成され,天板からの熱により固定されて完成すると推察された.
  • おからの再資源化プロセス(第2報)
    北村 豊, 菅野 雄一郎, 田川 彰男, 林 弘通
    1996 年 43 巻 4 号 p. 404-406
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    完全混合型反応槽を用いて生おから懸濁液の酵素糖化実験を行い,生成糖による糖化阻害の発生を確認するとともに,固形物分解率と糖化速度の関係が2次の実験式で表されることを示した.またおからの酵素糖化における生成物阻害を拮抗型であるとみなし,初期グルコース濃度の増加が阻害作用に与える影響を定量的に明らかにできた.
  • 矢野 昌充, 長谷川 美典, 生駒 吉識, 小川 一紀
    1996 年 43 巻 4 号 p. 407-409
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    国内の主要産地(26ヵ所)から取り寄せたキウイフルーツについて,追熟のためのエチレン処理に対する感受性を比較した.
    1) キウイフルーツを出荷用容器に入れ,エチレン発生剤(白石カルシウム製)を用い,15℃で追熟したところ,容器内のエチレン濃度は10~20μl・l-1,酸素16~18%,二酸化炭素3%程度となり,通常のキウイフルーツを追熟させるのに可能な条件となった.
    2) 果実硬度の低下によって判定した追熟の遅速には著しい産地間差があり,全体の69% (18産地)の試料はエチレン処理で速やかに追熟したのに対し,残り(8産地)は追熟が著しく遅れ,一部は最終的にも追熟しなかった.
    3) 追熟のしにくい産地の試料についてエチレン発生剤の量や処理温度を変えた条件でも追熟の促進が起こらず,産地間差には再現性が認められた.
  • 新規米飯缶詰の製造法に関する研究(第1報)
    深井 洋一, 金谷 清身, 柳原 政利, 小田切 一広, 松澤 恒友
    1996 年 43 巻 4 号 p. 410-416
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    飲む感覚で利用する米飯缶詰の飯粒状態に影響を与える因子について検討を行った.
    粳米10品種により品種間の差異をみたところ,平交102号が良好な飯粒状態(飯粒の非結着性および流動性,形態維持性)を示した.
    精米を10%程度使用した場合の良好な飯粒状態の保持について,調味料およびその浸漬処理条件により検討した.その結果,精米をクエン酸1%溶液中に3分間浸漬した場合,pHは4~4.5の範囲であり,ホットベンダー(55℃)中で60日間の経時変化試験においても,良好な飯粒状態が保持できた.この特性は,他の有機酸使用においても同様に認められた.本設定条件下では,飯粒の膨潤が抑制され,飯粒中の粘性物質の溶出が低減されることから,飯粒の流動性の発現,非結着性,形態維持性が図られた.飯粒状態とアルカリ崩壊度には相関関係が認められた.
  • 食用油脂の新規な水素添加(第2報)
    武谷 宏二, 川成 真美, 小西 寛昭, 中島 一郎, 冨士川 計吉
    1996 年 43 巻 4 号 p. 417-422
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    本報告を次のように要約した.
    (1) とうもろこし油の水添反応における窒素付与の効果は,水添度に対しては,大豆油の場合と同様に水素圧力と反応時間の因子が強く影響を及ぼした.特に,水素圧力が低いときは,窒素圧力を高めると反応が阻害されて水添度は低い値を示したのに対し,水素圧力が高い時に窒素圧力を高めると,逆に反応が促進されて水添度は高い値を示した.
    (2) トランス価は,窒素付与による影響を受けず,水素圧力を高めるか,反応時間を長くすることにより減少した.
    (3) 大豆油の水添反応において導出した,窒素圧力項を考慮した反応速度の実験式は,実験値との良好な一致を確認することにより,とうもろこし油の水添反応に及ぼす窒素付与の効果についても良く説明できることが判った.
    (4) 水添油脂試料による窒素付与効果を比較した結果,とうもろこし油および大豆油の脂肪酸組成と反応速度実験式中のパラメータ値の対比から,窒素はリノレン酸やリノール酸の水添反応を選択的に促進,または抑制するものと考えられた.また,窒素圧力の影響を受けない時の水素圧力は,個々の油脂の反応速度を反映して,反応速度が小さいほど高くなることが推定された.
  • 焼麩の製造に関する基礎的研究(第1報)
    村瀬 誠, 水谷 哲也, 杉本 勝之
    1996 年 43 巻 4 号 p. 423-429
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    グルテンに小麦粉を混ぜ合わせて調製したグルテンドウを用い,焼麩の膨化条件を明らかにするために,床板と天板の両面加熱式の焼成窯を使用してモデル的に焼成試験を行った.
    1 床板温度を150℃以上に加熱しなければ種は膨化せず,200~230℃の時最高の膨化比容積が得られた.
    2 種の膨化は床板から伝えられる熱によって床面から上方へ向かって進行し,天板から与えられる熱は膨化物の上部を乾燥させ,膨化状態を固定するために必要であった.すなわち,床板の熱は膨化のために,天板の熱は膨化状態の固定のために利用される.
    3 天板温度を床板温度より高く設定しないと膨化物が萎縮し,良好な膨化物にならない.床板温度より30℃高い天板温度が適切であった.
    4 散水量は膨化物の性状に大きく影響し,散水量20mlまでの範囲では,散水量が多くなるほど比容積は大きくなり,気泡も緻密な膨化物となった.
  • リンゴの無機成分組成に関する研究(第3報)
    岩根 敦子
    1996 年 43 巻 4 号 p. 430-437
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    品種′ふじ′の同一樹木から収穫適期の,着果方位別果実を採取し無機成分組成(Na, K, Mg, Ca, Fe, Mn, Cu, Zn, P)の動向について検討した.
    (1) 果実の方位別では,西側果実は他の3方位にくらべて個体重量(無水物値)は13%以上軽く,南側果実より30%軽かった.糖度は西側果実11.8Bx度,南側果実13.8Bx度を示した.西側果実の灰分濃度は他の3方位より12%以上高かった.Kは他方位より13%以上高かった.西側果実の個体重量,糖度は小さい値を示し,Kは大きい値を示し他の方位との間に有意差が認められた.
    (2) 40個果実全体でみると,灰分とNa, K, Mg, Fe, Pの間で正相関が認められた.方位による無機成分相互間では,北側果実に相関が高いことを示していたが,灰分中の各無機成分含量値でみると,西側果実が他の3方位より各元素間の相関が高かった.
    (3) 40個果実全体の個体重量(生鮮物値)と灰分および無機成分間は低い負相関を示し有意差が認められなかった.生鮮重量により40個のリンゴを2群に分けて大きさの違いによる成分の変動をみた.大きい果実は,小さい果実にくらべて,個体重量(無水物値),糖度が高く有意差が認められた.微量元素のMn, Znは小さい果実に高く有意差が認められた.
  • 河野 勇人, 姫野 国夫
    1996 年 43 巻 4 号 p. 438-443
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    醗酵食品における製品の再醗酵を防止するための天然保存料の開発を目的に,Kluyveromyces thermotolerans IFO 1778株培養ろ液の諸性質を検討した.その結果,NaCl濃度4%以上の存在下で,Zygosaccharomyces rouxiiに対しキラー性を示した.また,そのキラー活性はNaCl濃度の上昇に伴って高くなった.また,キラー活性のpH範囲はpH 2~6(至適pH 4)であり,40℃, 15分間の熱処理で失活した.キラー活性の安定化にはポリオール類が有効であった.麹汁培養ろ液の凍結乾燥物1%の添加により,Z. rouxiiの生育を阻害し,醗酵を遅らせた.また,培養ろ液を酵素処理した結果,プロテアーゼ処理でキラー活性は失活しにくく,逆にセルラーゼ処理によりキラー活性が高まった.
  • 川副 剛之, 湯浅 克己, 野口 薫, 山崎 昌良, 安藤 幹男
    1996 年 43 巻 4 号 p. 444-450
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ビタミンD2強化シイタケ,ビタミンD2及びビタミンD3をビタミンD給源として用いた.それぞれビタミンD量として基礎飼料中に500μg/kgの割合で混合し,各区5羽ずつ2週間飼育した.
    卵黄中のビタミンD量(μg/g)は,試験開始前にビタミンD2は不検出,ビタミンD3は0.050であった.試験終了時,ビタミンD2, D3量は,それぞれシイタケ区で0.326, 0.080,ビタミンD2区で0.277, 0.055,ビタミンD3区で不検出,0.494であった.ビタミンDの移行率はシイタケ区,ビタミンD2区,ビタミンD3区でそれぞれ10.9%, 8.8%, 12.7%であり,ビタミンD2よりビタミンD3の方が卵黄中に移行しやすい傾向にあった.
    ビタミンD3区の25-OH-D3量は試験開始前の約3倍であり,シイタケ区,ビタミンD2区では25-OH-D2が検出された.しかし卵黄中の25-OH-D2量は25-OH-D3量に比較してかなり少なかった.
    産卵成績,卵殻質,血漿中Ca, Pの値は,試験区間に大差なかった.
  • 津久井 亜紀夫, 鈴木 敦子, 永山 スミ, 寺原 典彦
    1996 年 43 巻 4 号 p. 451-457
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    シソから赤紫色のアントシアニン色素(シソAN)を抽出した.このシソANについて,耐熱性,耐光性,および加熱や紫外線照射の下での多糖類やグリシルリチン塩添加の影響について検討した.その結果,(1)シソから単離した3種類のANはHPLCおよびLC/MS分析により,シアニジン3,5ージグルコシド,シアニジン3-(6-p-クマリルグルコシド)-5-グルコシド:シソニンおよびシアニジン3-(6-p-クマリルグルコシド)-5-(6-マロールグルコシド):マロールシソニンと推定した.なお,他の成分は不明である.(2)マロニルシソニンと推定されたシソANの主成分は,加熱および紫外線照射で最も不安定であった.(3)シソAN溶液に多糖類を添加した場合,無添加に比較して吸光度の増加はほとんどみられなかったが,グリシルリチン塩添加では増加した.(4)多糖類添加のシソAN溶液を100℃で8時間加熱した場合,無添加に比較しアルギン酸塩添加が安定であった,一方,8時間紫外線照射の場合は,いずれの多糖類添加も無添加と比較し退色率が低くなった.(5)グリシルリチン塩添加のシソAN溶液は加熱および紫外線照射において,無添加と比較し退色率が低くかった.
  • 平野 茂博
    1996 年 43 巻 4 号 p. 458
    発行日: 1996/04/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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