日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
モデル系における焼麩の膨化条件の検討
焼麩の製造に関する基礎的研究(第1報)
村瀬 誠水谷 哲也杉本 勝之
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 43 巻 4 号 p. 423-429

詳細
抄録

グルテンに小麦粉を混ぜ合わせて調製したグルテンドウを用い,焼麩の膨化条件を明らかにするために,床板と天板の両面加熱式の焼成窯を使用してモデル的に焼成試験を行った.
1 床板温度を150℃以上に加熱しなければ種は膨化せず,200~230℃の時最高の膨化比容積が得られた.
2 種の膨化は床板から伝えられる熱によって床面から上方へ向かって進行し,天板から与えられる熱は膨化物の上部を乾燥させ,膨化状態を固定するために必要であった.すなわち,床板の熱は膨化のために,天板の熱は膨化状態の固定のために利用される.
3 天板温度を床板温度より高く設定しないと膨化物が萎縮し,良好な膨化物にならない.床板温度より30℃高い天板温度が適切であった.
4 散水量は膨化物の性状に大きく影響し,散水量20mlまでの範囲では,散水量が多くなるほど比容積は大きくなり,気泡も緻密な膨化物となった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top