日本食品科学工学会誌
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湿度条件がバナナ果実の追熟特性に及ぼす影響
薛 彦斌久保 康隆中村 怜之輔
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1996 年 43 巻 5 号 p. 541-545

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抄録

バナナの流通環境改善の基礎資料として,湿度条件がフィリピン産バナナ(Musa AAA group, Cavendish subgroup cv. Giant Cavendish)の成熟特性に及ぼす影響について調査した.
呼吸のクライマクテリック・ライズやエチレン生成開始の時期は湿度処理区間でほとんど差はみられなかったが,その後は低湿条件で呼吸活性やエチレン生成が促進された.着色の進行も低湿条件で速くなった.また,低湿条件で成熟の進展以上に軟化の進行が速くなる特徴が認められた.内容成分からみると,クエン酸及びリンゴ酸含量が成熟開始後急増して呼吸のクライマクテリック・ピークに先立って最大値を示した後減少したが,この最大値に達する時期が低湿条件では早くなることが認められた.
このようなことから,低湿条件で水分損失が大きくなることが一種のストレスとして作用して,バナナの成熟に対して促進的に作用するものと考えられた.

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