銀毛の秋サケの筋肉を加熱調理した場合にベニサケのそれよりも退色が著しい理由を筋肉のa値とカロテノイド量との関係,加熱前後におけるその量的変化,塩溶性タンパク質+基質タンパク質画分ならびに水溶性タンパク質画分の加熱前後における色調の変化より検討した.その結果,秋サケではベニサケに比して同量のカロテノイドの減少に対してa値,b値共に減少が大きいこと,a値の大きい場合と小さい場合とではa値の変化に対する視覚感度が異なり小さい場合の方が鋭敏である事,さらに秋サケでは加熱によって塩溶性タンパク質+基質タンパク質画分におけるa値,b値の減少が著しいこと等が複合して退色に至るものと考えられた.