日本食品科学工学会誌
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農産物の抽出物が培養動物細胞のメラニン産生・抗体産生・分化誘導に及ぼす影響
馬場 紀子新本 洋士小堀 真珠子津志田 藤二郎
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1996 年 43 巻 5 号 p. 622-628

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抄録

数種の農産物の非透析画分について,マウスメラノーマ細胞のメラニン産生,ヒトーヒトハイブリドーマHB 4 C 5の抗体産生,ヒト単芽球様細胞U-937の分化誘導に対する効果を検討した.
茶,ナス,キウイフルーツ,ニンジン,ホウレンソウの抽出物にはいずれもメラニン生産を抑制する効果が認められた,最も効果が高かったのは茶抽出物であり,培地中の終濃度を150μg/mlとして4日間培養した場合,細胞内のメラニン含量をコントロールの46%に抑制した.
茶の非透析画分はヒトーヒトハイブリドーマHB 4 C 5のIgM産生を促進した.
加工処理したホウレンソウ抽出物はU-937細胞の細胞分化を誘導した.活性が認められた分画物は熱に安定であると考えられた.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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