日本食品科学工学会誌
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アガロースゲルの離漿に関する電顕観察
種谷 真一木村 利昭長坂 慶子
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ジャーナル オープンアクセス

1999 年 46 巻 8 号 p. 543-546

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抄録
一般に多糖類のゲルは離漿にともなって弾性率を増加させる傾向があるが,アガロースゲルは逆に弾性率を減少させる.この理由は,電顕によって網目の構造を観察したところ,網目を構成しているアガロース分子鎖束がからみ合って大きな長軸1800nm,短軸600nmの楕円形,また小さいもので長軸400nm,短軸300nmの楕円形を形成し,このような空隙が弾性率を低下させる原因の1つと考えた.アガロース分子鎖束の太さは離漿によって変わらず20~40nm(濃度0.5%)であった.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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