2000 年 47 巻 10 号 p. 767-772
緑茶ポリフェノールを添加したモイストペレットを当歳魚のハマチに給餌した.給餌開始2及び4週間後にハマチを活けじめし,ラウンド氷蔵中の魚肉部の酸化防止効果を検討した.
その結果,GTPの給与により,氷蔵日数の経過に伴う魚肉のPOV,TBA値及びメト化率の上昇が抑制される傾向にあった.これらは,GTPの給与期間及び添加量の増加に伴い,より効果的に抑制する傾向が認められた.
また,無添加区と比較して,GTP添加区のハマチでは魚肉のPOV及びTBA値が低値を示す傾向にあり,GTPがハマチに対して生体内抗酸化作用を示していることが示唆された.
これらのことから,GTPの養殖魚への給与は,流通段階の鮮度及び品質の保持に効果のあることが推察された.