日本食品科学工学会誌
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47 巻, 10 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 阿部 茂, 立花 信雄, 田中 雅章
    2000 年 47 巻 10 号 p. 745-751
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 加藤 丈雄
    2000 年 47 巻 10 号 p. 752-759
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 福家 洋子, 沢木 佐重子, 野村 孝弘, 猟山 一雄
    2000 年 47 巻 10 号 p. 760-766
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 高頻度で肺に自然転移を起こすr/mHM-SFME-1細胞を用いた実験転移腫瘍系によるin vivoでの転移検定方法をさらに検討した.転移の検出は,原発腫瘍由来のヒトc-Ha-ras 1遺伝子をPCR法によって増幅した後,検出バンドを定量化することによって行った.
    (2) 本法を用いて,ワサビ成分6-MITCの腎臓への播種抑制効果を検討した結果,6-MITC投与群ではコントロールおよび他の薬剤投与群に比べ,原発腫瘍由来のヒトc-Ha-ras 1遺伝子の検出は低い結果となった.これは原発腫瘍から血流中への腫瘍細胞の移動を抑制しているためと推察された.
    (3) ワサビ成分6-MITCの経口投与による肺への転移抑制効果を検討した.400μM投与群は5匹中4匹でc-Ha-ras 1遺伝子は検出されず,他1匹で転移指数0.47であり,コントロールに比べ明らかに転移が抑制された.
  • 石原 則幸, 荒木 利芳, 井上 美佐, 西村 昭史, 朱 政治, ジュネジャ レカラジュ, 森下 達雄
    2000 年 47 巻 10 号 p. 767-772
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    緑茶ポリフェノールを添加したモイストペレットを当歳魚のハマチに給餌した.給餌開始2及び4週間後にハマチを活けじめし,ラウンド氷蔵中の魚肉部の酸化防止効果を検討した.
    その結果,GTPの給与により,氷蔵日数の経過に伴う魚肉のPOV,TBA値及びメト化率の上昇が抑制される傾向にあった.これらは,GTPの給与期間及び添加量の増加に伴い,より効果的に抑制する傾向が認められた.
    また,無添加区と比較して,GTP添加区のハマチでは魚肉のPOV及びTBA値が低値を示す傾向にあり,GTPがハマチに対して生体内抗酸化作用を示していることが示唆された.
    これらのことから,GTPの養殖魚への給与は,流通段階の鮮度及び品質の保持に効果のあることが推察された.
  • 竹村 浩, 安藤 記子, 塚本 義則
    2000 年 47 巻 10 号 p. 773-779
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    低臭納豆の開発を目的に,短鎖脂肪酸非生産納豆菌の育種を行った.短鎖分岐脂肪酸は,分岐アミノ酸から,分岐脂肪酸の合成系路を介して生成すると予測し,その最初の反応を触媒する酵素としてロイシン脱水素酵素および分岐アミノ酸アミノトランスフェラーゼを想定した.相同組換えを利用して両酵素の挿入変異株を取得したところ,ロイシン脱水素酵素の挿入変異株では短鎖分岐脂肪酸の生成量が顕著に減少した.この結果より,短鎖分岐脂肪酸の生合成反応の最初のステップはロイシン脱水素酵素が触媒すると結論した.
    次に,相同組換えを利用してロイシン脱水素酵素遺伝子の一部が欠失した納豆菌を育種した.得られた納豆菌(B2株)を用いて製造した納豆は,短鎖分岐脂肪酸をほとんど含まなかった.また,B2株を用いて製造した納豆は,市販菌を用いて製造した納豆に較べて,臭いが弱く,「香ばしい香り」が強く,「乳製品のような臭い」および「酸っぱい臭い」が少ないと評価された.この結果より,B2株を用いて製造した納豆は,納豆としての基本的な品質を保持し,かつ,「控えめな臭い」という特徴を有していることが確認できた.
    最後に,商品化を考慮に入れ,ロイシン脱水素酵素欠損株を通常の突然変異法で再分離した.得られた株は,B2株と同様に短鎖分岐脂肪酸をほとんど生産せず,かつ,低臭納豆の種菌としての特質を有していた.
  • 渡辺 敏郎, Tapan Kumar MAZUMDER, 山本 明, 永井 史郎, 寺部 茂
    2000 年 47 巻 10 号 p. 780-786
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    各種産地のウコン中のクルクミノイドを高精度かつ迅速に定量することを目的として,HPLC及びMEKCの測定条件を検討し,次の結果を得た.
    (1) ウコン乾燥物からの超音波によるクルクミノイド抽出には,溶媒として99.5%エタノールが最も適当であった.
    (2) HPLCによるクルクミノイドの分離は,グラジエント溶出による方法が最も短時間に分析できた.また,BBMAによるMEKCでは,更に短時間に分析することができた.定量においてもHPLC及びMEKC共に高い相関の検量線が得られた.
    (3) 産地の異なる8種のウコン乾燥物中のクルクミノイドについて定量した結果,MEKCはHPLCとほぼ同様の精度で分析することができた.MEKCはHPLCに比べ,短時間に,しかも少ない溶媒量で分析ができ,品質管理分析に適用できることを示した.
  • 三上 隆司, 柏村 崇, 土屋 義信, 西尾 尚道
    2000 年 47 巻 10 号 p. 787-792
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    米飯の官能評価は人によりまちまちの傾向があり,それを数値化することは,長い間難問とされてきた.今回は測定器でどの程度,米飯の官能評価の外観,香り,味,粘り,硬さ,総合評価と合致させることができるか検討してみた.その結果,官能評価値の総合評価比較で相関係数が0.84程度と高い値が得られた.その他の官能評価値についても0.70∼0.82と高い相関が得られることが判明した.このことで,米の一般評価において客観的評価法として十分利用できることが判明した.官能評価は,パネラーのバラつき及び体調,好みなどに影響を受け,評価が一定しにくいものである.この装置を利用して米飯の評価を行えば,相当精度の高い判定ができる確証が得られたので今後有効に利用して行きたい.また今後判定が難しい香り,硬さの項目も加えた総合的な評価方法の確立をめざし,より精度の高いシステムの開発を進めていく予定である.
  • 間 和彦, 新本 洋士, 小堀 真珠子, 津志田 藤二郎
    2000 年 47 巻 10 号 p. 793-796
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    前報で筆者らは味噌抽出物中の遊離リノール酸がB16C7マウスメラノーマ細胞のメラニン生成を強く抑制することを報告した.本報告では,種々の脂肪酸のメラニン生成調節作用を検討した.その結果,B16細胞のメラニン生成およびメラニン生成の鍵酵素である細胞内チロシナーゼの活性は,B16C7細胞の培養液に不飽和脂肪酸を添加することによって強く抑制された.飽和脂肪酸の一部は逆にメラニン生成を増強した.
  • 薬袋 裕二, 鶴岡 勉, 菅 法子, 阿部 皓一, 松岡 芳隆, 芳賀 実
    2000 年 47 巻 10 号 p. 797-802
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ラットの新生仔と胎仔で,脳(大脳)を含む各臓器のビタミンEの濃度を測定した.母ラットを,dl-α-トコフェリルアセテートの添加量を調整して作製したビタミンE調整食で飼育した.ビタミンE欠乏食で飼育した母ラット由来の新生仔の脳におけるα-トコフェロールの濃度は,対照食で飼育したラット由来のものとほぼ同じであった.ビタミンE添加食で飼育した場合,その新生仔の脳では,他の臓器ほど,そのα-トコフェロールの濃度は影響を受けなかった.さらに,新生仔ラットの脳におけるα-トコフェロールの濃度維持のため,その供給源として母乳が重要であることが示唆された.一方,ビタミンE欠乏食で飼育された母ラットの胎仔の脳におけるα-トコフェロールの濃度は,対照食で飼育された母ラットの場合と類似していた.
  • 本堂 正明, 奥村 幸広, 山木 携
    2000 年 47 巻 10 号 p. 803-807
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    酢酸菌のAcetobacter pasteurianus IFO 14814を用い,ヤーコンジュースの酢酸発酵処理を行った.ヤーコンジュースの青臭み除去とフラクトオリゴ糖(FOS)含有ヤーコンビネガー開発の可能性を検討した.
    (1) 未処理ジュース(YJ)とアルコール発酵処理ジュース,すなわち未補糖で1日と10日,グルコースを補糖して1日と2日,OC-2酵母でアルコール発酵させたジュースを用いた.それぞれYJ⋅OC-2(1d),YJ⋅OC-2(10ds),YJ⋅OC-2(Glc⋅1d)とYJ⋅OC-2(Glc⋅2ds)と略記した.酢酸発酵処理条件を温度30°C,初発pH5.0,初発エタノール濃度5.5%(w/v)と前培養液添加率10%(v/v)に設定し,表面培養と振とう培養法を比較検討した.その結果,表面培養法ではYJ⋅OC-2(1d)は32日後に,YJ⋅OC-2(10ds)は20日後にそれぞれ4.0%以上の酢酸が生成された.振とう培養法では5日後に全試料ジュースで,すなわちYJ,YJ⋅OC-2(1d),YJ⋅OC-2(10ds)とYJ⋅OC-2(Glc⋅1d)でそれぞれ4.0%以上の酢酸が生成された.
    (2) 酢酸発酵が正常に行われたFOS含有酢酸発酵処理ジュースを用い,香りを官能評価した.その結果,いずれの試料ジュースもヤーコンジュースの青臭みがほとんどなかった.その中で,表面培養法で得られたYJ⋅OC-2(1d)の酢酸発酵処理ジュースの香りが,比較的良好であった.また全FOS含量が83%残存し,まだ2.4%(w/v)含まれた.
    (3) 以上の結果から,YJ⋅OC-2(1d)の試料ジュースを用い,表面培養法で約1ヵ月間,酢酸発酵処理を行う方法が,FOS含有ヤーコンビネガー調製法としてよりベターな方法と考えられた.
  • 岡崎 良生, 内海 成
    2000 年 47 巻 10 号 p. 808-811
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    分離大豆タンパク質含有牛乳カードの,タンパク質間相互作用力に影響をおよぼす各種試薬(NaCl,NaSCN,2-メルカプトエタノールおよびプロピレングリコール)の共存下における形成性およびそれらに対する溶解性について検討した.各種試薬共存下でのカード形成は,NaSCN共存の影響が最も強く,100mM以上の濃度においてはカードを形成しなかった.各種試薬の溶解性に対する効果もNaSCNが最も強かった.このような各種試薬の効果からSI含有カードの形成および構造の保持に対して疎水的および静電的相互作用が強く関与し,S-S結合と水素結合の関与は弱いものと考えられた.
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