日本食品科学工学会誌
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茶添加菓子類の保存中の品質変化
中莖 秀夫間瀬 雅子長谷川 摂藤井 正人
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2001 年 48 巻 11 号 p. 844-847

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抄録
茶添加菓子の一つとして多脂肪系菓子であるクッキーを試作して保存条件と品質変化について検討した.
(1) 酸素透過度の高いCPPで包装し,暗所で保存した場合には,茶の添加量に応じてPOVの上昇が抑制された.これに対し,明所で保存した場合には茶添加区は,無添加区に比べて極めて短時間の間にPOVが著しく上昇した.これは茶に含まれているクロロフィルの光酸化促進作用によるものと考えられた.
(2) 包装フィルムの色によってPOVの上昇の速さに差があり,黄や赤の着色フィルムより青や緑を用いた方がPOVの上昇をいくらか遅延させた.
(3) 酸素透過度の低いKNy/PEで包装し,光照射下で保存した場合には,保存開始後,包装内の酸素が消費されるまではPOVが急上昇したが,それ以後は上昇しなかった.脱酸素剤を併用することでPOVの上昇を長期にわたり抑制した.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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