日本食品科学工学会誌
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コメ胚芽中の4-アミノ酪酸(GABA)蓄積に及ぼす有機溶媒脱脂の影響
三枝 貴代岡田 忠司村井 弘道森 隆堀野 俊郎大森 正司伊藤 昌博小野田 明彦
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2001 年 48 巻 3 号 p. 196-201

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抄録

GABA蓄積コメ胚芽を特定保健用食品素材として用いるために,脱脂条件,乾燥方法について検討した.
1)コメ胚芽をn-ヘキサンで脱脂すると,油分が取り除かれたことによって胚芽の保存性が増しただけでなく,単位重量あたりのGABA蓄積含量が増大し,特定保健用食品としてより理想的な食品素材が得られた.
2)GABA蓄積用コメ胚芽は30℃以上の温度で短時間に脱脂を行うことが望ましかった.
3)コメ胚芽の脱脂にエタノールを用いるとGABA蓄積が阻害されることがわかった.また胚芽にGABAを蓄積させるための加水操作中にエタノールの混入があると,GABA蓄積量が著しく減少することが明らかとなった.
4)水浸漬操作でGABAを蓄積させたコメ胚芽を乾燥,加熱処理する時には,その過程でGABA蓄積に至適な温度条件(30-50℃)を長時間維持することで多量のGABA蓄積が期待できた.

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