日本食品科学工学会誌
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生食用野菜・果物の自主衛生管理へのMicro Foss法の導入
川崎 晋名塚 英一稲津 康弘一色 賢司
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2002 年 49 巻 11 号 p. 712-718

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抄録

細菌検査を簡易迅速化することを目的に開発された微生物迅速測定器Micro Fossを用いて,生食用野菜・果物における一般生菌数・大腸菌群の迅速菌数推定法の評価を行った.
(1) 生食用野菜・果物(カット野菜・フルーッ)計130検体を購入し,各検体の一般生菌数と大腸菌群を従来法にて測定した.同時にMicro Foss専用の一般生菌数・大腸菌群測定用バイアルに供し,pH指示薬の変化の検出に必要な時間(Dt)を求めた.
(2) 従来法にて求めた菌数とDtとのグラフを作成し相関を求めることで,本法の有用性を評価した.また芽物野菜としてカイワレ大根を用いて大腸菌の検出実験への応用についても評価した.
(3) 本法は広い定量幅を持っており従来法では必要な段階希釈が不要であった.測定時間は初発菌数が多い程短く,3~18時間で菌数推定結果が得られた.
(4) 大腸菌の検出も,ダーラム管と併用することで可能となった.

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