日本食品科学工学会誌
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γ-アミノ酪酸高含有カボチャ加工品製造とそのラット血圧上昇抑制作用
鵜澤 昌好奥山 知子村田 真由美佐藤 良二大森 正司
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2002 年 49 巻 9 号 p. 573-582

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抄録

グルタミン酸脱炭酸酵素は動植物界に広く存在する酵素であり,高等植物ではカボチャ,キュウリ,ニンジン,トマトなどに多く含まれる.これらの高等植物の中では,カボチャが最もグルタミン酸脱炭酸酵素活性が強いことがわかり,カボチャのグルタミン酸脱炭酸酵素活性を利用したγ-アミノ酪酸高含有素材の製造法を検討した.
カボチャによるグルタミン酸のγ-アミノ酪酸への変換反応では,グルタミン酸脱炭酸酵素の補酵素であるピリドキサル5'-りん酸が,γ-アミノ酪酸生成量に影響していることがわかった.また,γ-アミノ酪酸生成の最適な温度,pH等の条件について検討した結果,カボチャとグルタミン酸だけで,10%以上と高含有量のγ-アミノ酪酸をカボチャに付加することができた.このカボチャ粉砕液の水溶性成分を乾燥したカボチャ加工品には,高血圧自然発症ラット(SHR)に対する血圧上昇抑制効果があることを確認した.

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