日本食品科学工学会誌
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49 巻, 9 号
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  • 平成14年度日本食品科学工学会技術賞
    林 徹
    2002 年 49 巻 9 号 p. 559-565
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 丸山 悦子, 佐藤 真実
    2002 年 49 巻 9 号 p. 566-572
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    農水省より供試された17品種の米を使用して溶出固形物を用いた米飯新食味評価法の検索を行った.
    (1) 食味評価として官能検査の総合評価を使用すると,70℃の溶出固形物は米粒あたりの全糖,アミロースの溶出量が多く,100℃では米粒あたりの全糖の溶出量が多く,いずれも溶出固形物中のタンパク質,灰分の割合が少ないほど良食味米である.
    (2) 飯粒の物理特性値によってクラスター分析を行うと,17品種の供試米は5群に分類され,I群,II群の良食味米は硬さ,破断応力,もろさ歪が小さく,付着性,破断変形が大きい.
    (3) 官能検査の総合評価は味や粘り,また,味度値,溶出固形物量と高い正の相関がみられた.官能検査の総合評価を目的変数とし,物理化学測定値を説明変数として重回帰分析を行ったところ,70℃では,破断応力,破断変形,溶出固形物量を説明変数とした重回帰式がえられ,100℃では,溶出固形物中の灰分,もろさ歪,溶出固形物量を説明変数とした重回帰式がえられた.いずれの重相関係数も高く,0.78, 0.82となった.
  • 鵜澤 昌好, 奥山 知子, 村田 真由美, 佐藤 良二, 大森 正司
    2002 年 49 巻 9 号 p. 573-582
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    グルタミン酸脱炭酸酵素は動植物界に広く存在する酵素であり,高等植物ではカボチャ,キュウリ,ニンジン,トマトなどに多く含まれる.これらの高等植物の中では,カボチャが最もグルタミン酸脱炭酸酵素活性が強いことがわかり,カボチャのグルタミン酸脱炭酸酵素活性を利用したγ-アミノ酪酸高含有素材の製造法を検討した.
    カボチャによるグルタミン酸のγ-アミノ酪酸への変換反応では,グルタミン酸脱炭酸酵素の補酵素であるピリドキサル5'-りん酸が,γ-アミノ酪酸生成量に影響していることがわかった.また,γ-アミノ酪酸生成の最適な温度,pH等の条件について検討した結果,カボチャとグルタミン酸だけで,10%以上と高含有量のγ-アミノ酪酸をカボチャに付加することができた.このカボチャ粉砕液の水溶性成分を乾燥したカボチャ加工品には,高血圧自然発症ラット(SHR)に対する血圧上昇抑制効果があることを確認した.
  • 松下 幸之助, 伊東 章, 井出 政義, 渡辺 敦夫
    2002 年 49 巻 9 号 p. 583-590
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    攪拌翼型平板膜モジュールを醤油製造工程での火入れオリ濾過に適用して,5年間にわたって評価し,以下の結果を得た.
    1) セラミック膜の積層枚数を増加することで,ベンチスケールと同等の膜透過流束および濃縮倍率が得られた.また,攪拌翼型平板膜モジュールの消費動力は,見かけ粘度の0.09乗に比例したことから,高濃度懸濁液の濾過に適していることがわかった.
    2) 醤油製造工程では,5年間にわたって安定した膜分離特性と醤油として転用可能な膜透過液を得ることができた.また,濾過期間中の膜の劣化は確認されなかった.最終的な全量醤油の歩留まりは,従来の90%から,99.7%以上に向上すると試算された.
    3) 過去の火入れオリ膜濾過特性と,本研究で得られた特性を比較したところ,濃縮倍率,膜透過流束,消費動力特性の各項目で,全般的に他の攪拌翼型平板膜モジュールに対して,優れた特性を示すことがわかった.
    以上より,攪拌翼型平板膜モジュールは,火入れオリ濾過に対して,有効であると判断された.
  • 包 航, 任 恵峰, 遠藤 英明, 高木 敬彦, 林 哲仁
    2002 年 49 巻 9 号 p. 591-597
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    16種のフラボノイド自身の変異原性と抗変異原性を前進突然変異試験法を用いて検討した.活性を検出した11種について未加熱,単純加熱,混合調味液添加後の加熱による活性の変化を調べた.
    (1) カテキン,エピカテキン,ヘスペリジン,ネオヘスペリジン,ネオヘスペリジンデヒドロカルコンの5検体は,変異原性・抗変異原性ともに全く示さなかった.
    (2) 残り11種フラボノイドの中で,バイカレインなどのように抗変異原性のみを示すものもあれば,ケルセチンやモリンのように変異原性と抗変異原性の両方を示すものもあった.
    (3) これらの活性に対する影響は加熱そのものより,むしろ調味料の存在の影響の方が大きかった.
    (4) 調味料添加条件下での加熱で著しく変化したのは,S9存在下で測定した抗変異原性であった.
  • 木村 俊範, 井原 望, 石田 頼子, 斎藤 由香, 清水 直人
    2002 年 49 巻 9 号 p. 598-604
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    PLAの一次分解特性を解明するため,コンポスト化の発現し得る温度とpH範囲を考慮し,PLAの加水分解試験を行った.
    本研究での設定pH範囲において,高温試験区ほど加水分解による一次分解が促進され,分子量低下が著しかった.またpH 6.0~8.0間では,pHの違いが低分子化へ及ぼす影響は小さく,重量減も認められなかった.他方pH 9.0の高アルカリ領域では,早い段階から大幅な重量減少が認められた.また,試料断面の観察結果からPLAの加水分解は試料の表面から進行することが確認された.
    以上の知見から,コンポスト化過程でのダイナミックな温度,pH変化がPLAの一次分解を促進し,続く完全生分解を容易にすることが確かめられ,この特性が,実用分解手法としてコンポスト化が有効なことの一因であると検証できた.
  • 竹原 淳彦, 福崎 智司
    2002 年 49 巻 9 号 p. 605-610
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    小豆の浸漬工程における吸水性と渋抜き効果に及ぼす脱気水の溶存気体濃度の影響について検討した.脱気度は,溶存酸素(DO)濃度を指標とした.浸漬時間の増加と共に小豆の吸水量及び有機成分抽出量は指数関数的に増加した.吸水量及び総ポリフェノールの抽出量は,脱気水のDO濃度の低下と共に増加し,DO=1ppm以下の脱気水で良好な効果が得られた.一方,DO=0.01ppmの脱気水に窒素ガスを飽和溶解させると,脱気水の吸水・抽出効果は消失した.粒餡の官能試験においても,脱気水の渋抜き効果に有意差が認められた.アスコルビン酸の酸化速度定数は,DO=1ppm以下の脱気水中で,大幅に減少することが示唆された.
  • 松下 幸之助, 伊東 章, 井出 政義, 渡辺 敦夫
    2002 年 49 巻 9 号 p. 611-619
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ADモジュールを各種醤油製造工程に適用し,火入れオリ濾過以外の用途へのMFの導入効果について検討した.導入の可否は,膜透過液の特性,必要消費動力,MF導入による工程改善等より判断した.
    MF導入により,生あげ醤油の非加熱除菌工程,再仕込み醤油の清澄化工程,うすくち醤油の非加熱除菌工程,アミノ酸液の非加熱除菌工程の各工程では,製品品質の向上などの改善効果が認められた.これらの改善効果は,ADモジュールが有する低圧力損失特性により,高膜透過流束と高濃縮倍率が実現されるためと考えられた.
    一方,全量醤油の清澄化工程では消費動力量の面で,本醸造こいくち醤油のUF濃縮残渣からのアミノ酸液回収工程で膜透過液の官能面で問題があるため,ADモジュールによる改善効果は確認されなかった.
    醤油関連製品工程液間の膜透過流束の比較では,膜透過流束は製法とTN濃度に大きく依存する傾向が認められ,両者が決定されるとある程度膜透過流束が予測可能であることが確認された.
  • 清水 直人, Kays Sandra, Franklin Barton, 藤田 雅也, 石川 直幸, 小田 俊介, 木村 俊範, 大坪 研一
    2002 年 49 巻 9 号 p. 620-623
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    透過型近赤外分光法による精麦粒のスペクトル分析を行い,AOAC法によって精麦のTDFを測定した。TDFモデルの性能は,56試料を学習データ(n=28)と未知試料(n=28)の2群に分けた場合では,SEP: 0.89~1.03,決定係数(R2): 0.83~0.88,バイアス: -0.2~0.17, RPD: 2.5~2.9を示した。本研究で用いた透過型近赤外分光装置(波長域:850~1050nm,分光方式:回折格子,測定対象試料:全粒)に基づくTDFモデルは大麦の大まかな品種選抜などの育種プログラムに適用できる水準にある。
  • 山口 信也, 大西 淳, 十河 政信, 丸 勇史, 太田 泰弘, 塚田 陽二
    2002 年 49 巻 9 号 p. 624-627
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    We examined ACE inhibitory activity and the antihypertensive effect of M. citrifolia juice. The juice strongly inhibited ACE activity. The inhibitory effect of juice from ripe fruit is stronger than that of green fruit. Furthermore single oral administration of the juice reduced systolic blood pressure of male spontaneously hypertensive rats. These results indicate that the juice contains ACE inhibitory compounds, and daily intake of the juice is effective for prevention and improvement against hypertension.
  • 阿尻 雅文
    2002 年 49 巻 9 号 p. 628-629
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
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