日本食品科学工学会誌
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動物エキス中のヒスチジン含有ジペプチド(アンセリン,カルノシン)のHPLCによる迅速定量法
柳内 延也塩谷 茂信水野 雅之鍋谷 浩志中嶋 光敏
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2004 年 51 巻 2 号 p. 87-91

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抄録

動物エキス中に存在するアンセリンとカルノシンをヒスチジン含有ジペプチド(HCDP)総量として測定する迅速・簡便な定量法について検討した.熱水抽出した各種動物エキス(牛肉,豚肉,鶏肉及びマグロ煮汁)をTSKG-2500PWXlカラムへ注入し,0.1%トリフルオロ酢酸含有45%アセトニトニトリルを溶媒として流速0.5mL/minで展開し,波長210nmの検出器で検出した.動物エキス中のアンセリンとカルノシンは同じ単一ピークとして溶出され,他の蛋白質,ペプチド及びアミノ酸と分離された.アンセリンとカルノシンで構成される単一ピークにはリジンとアルギニンが微量混在していたが,これらのアミノ酸は波長210nmに吸収を持たないものなので,アンセリン又はカルノシンと同一の溶出位置に検出されたピークはHCDPピークと見なすことが可能であった.本法ではアンセリンとカルノシンの個別定量は出来ないが,各種動物エキス中のHCDP含量を1検体あたりわずか30分で定量が可能であり,この測定値はアミノ酸自動分析計で測定されるアンセリン-カルノシンの合計値と良く一致する結果であった.

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