蒸し煮マイワシ揮発性成分に及ぼす9種香辛料(オールスパイス,クローブ,シナモン,ナツメグ,オレガノ,フェンネル,タイム,ターメリック,ブラックペパー)の添加効果について検討した結果,以下のことが判明した.
(1) 蒸し煮マイワシ揮発性成分の主要成分としてエタナールとプロパナールがGC-MS分析によって同定され,BHTによるモデル実験から,蒸し煮マイワシ中のプロパナールの生成には脂質酸化が関与していることが明らかとなった.
(2) BHTのような抗酸化物質の添加によって見られるプロパナール面積の変化はこれらの物質の抗酸化力の指標となる可能性の高いことが判明した.
(3) ブラックペパーを除く8種香辛料の添加では,明らかに抗酸化効果があると判断された.
(4) 一方,ブラックペパー添加では,その抗酸化効果は他の8種よりも劣ることが明らかとなった.
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