栄養精神医学
Online ISSN : 2760-3539
Print ISSN : 2760-3520
総説
うつ病治療における⾷事の役割と臨床的効果の検証
井⼾ 由美⼦, 李 美栄, 熊取⾕ 知征, 清⽔ 勇雄, 川村 匡宏, ⽔野 智津⼦, 稲葉 真由, 三好 裕之, 岩根 奈緒美, 河中 由佳, ⿊⽥ 健治
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2026 年 2 巻 1 号 p. 198-209

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抄録

うつ病は世界で約3 億3 千万⼈が抱える主要な精神疾患であり、再発や慢性化も少なくない。近年、⾷事の質や栄養状態が精神症状に関与する可能性が⽰され、⾷事療法の有効性が注⽬されているが、精神科⼊院期に体系的な栄養介⼊を導⼊し多⾯的に評価した報告は限られている。本研究では、栄養強化⾷「デイジー⾷」と栄養教育が精神症状、栄養指標および腸内細菌叢に及ぼす影響を検討した。ストレスケア病棟⼊院患者に栄養強化⾷と毎⾷時の説明カード配付および個別栄養指導を実施し、解析対象71 名について単群前後⽐較を⾏った。その結果、QIDS-J およびGAD-7 は有意に改善し、⾎清亜鉛・葉酸は⼼理尺度と負の相関を⽰した。腸内細菌叢では Bifido bacterium 属の増加傾向に加え、多様性の改善もみられた。以上より、本介⼊は精神症状の改善とともに、栄養状態、腸内環境に好ましい変化をもたらす可能性が⽰唆された。

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