[背景]薬物療法に⼗分反応しない癇癪や不登校を呈する⼩児において、⾎糖動態の変動が症状に関与する可能性を検討した症例シリーズである。
[症例]症例1は、⾃閉スペクトラム症と診断されている12歳男児であり、⼊眠まで数時間を要する重度の⼊眠困難と⽇中の激しい癇癪を反復していた。朝⾷はパンのみ、⼣⾷は素ラーメン中⼼という炭⽔化物偏重の⾷事であった。低⾎糖が疑われる時間帯に症状が集中していたため、⼣⾷の麺を⾖由来麺へ変更し、⾁や卵を追加するなど主⾷量および栄養構成を調整したところ、数⽇で⼊眠困難が改善し、起床時のぐずりおよび⽇中の癇癪頻度も明らかに減少した。症例2は対⼈過敏と登校渋りを呈した⼩学5年の男児で、⼣⾷後にケーキを1ホール摂取する習慣があった。菓⼦摂取を中⽌し主⾷量を⾒直したところ、不安感および突発的な怒りは速やかに軽減した。症例3は起床困難、頭痛、⽴ちくらみを伴う中学1年⽣男児で、朝⾷後数⼗分で腹痛や冷汗、強い眠気が出現していた。⼣⾷後の⼤量菓⼦摂取を中⽌し⾷事内容を調整したところ、⽇中の眠気と起床困難が改善し、継続的な登校が可能となった。
[結論]3 例において⾷事内容調整後に症状改善を認め、⾎糖動態異常の関与が⽰唆された。薬物療法抵抗性⼩児症例における評価視点として⾎糖動態を検討する臨床的意義が考えられた。