オレオサイエンス
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総合論文
ポリシロキサン三次元架橋体の開発と化粧品への応用
栗林 さつき
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2001 年 1 巻 3 号 p. 247-254,357

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抄録

化粧品には, 皮膚に柔軟性を与える等の目的で, 様々な液体油が広く応用されている。これらの液体油をゲル化し, 構造粘性を付与することは, 化粧品製剤の安定化のためにも非常に重要な技術である。また近年は, 油剤としてジメチルポリシロキサンが汎用されている。このジメチルポリシロキサンは, 油っぽさやべたつきがなく, 且つ軽いのび, 高い撥水性などの特長を有する油剤である。しかしながら, これら液体油のゲル化剤, 特にジメチルポリシロキサンのゲル化剤は数が少なく, 化粧品に安定に配合することは困難であった。
そこで, 我々は新たに, ジメチルポリシロキサン中で膨潤してソフトゲルを形成する, ポリシロキサン三次元架橋体を開発した。また, これらの架橋体に化学的修飾を行うことで, ジメチルポリシロキサン以外の油剤, 例えば炭化水素油, エステル油, グリセライド油に対してのゲル化剤や, W/O型ゲルエマルションをつくることができた。
本稿では,これらいぐつかのポリシロキサン三次元架橋体の構造とその特性, そして化粧品への応用例を紹介する。

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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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