オレオサイエンス
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総合論文
超臨界二酸化炭素を用いたマイクロカプセル化技術の開発
三島 健司松山 清
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2001 年 1 巻 4 号 p. 373-379,362

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抄録
超臨界二酸化炭素と貧溶媒の特異的共存効果により高分子を超臨界二酸化炭素中に溶解した後, 急速膨張により, タンパク質, 薬剤, 無機物質などの微粒子を内包する平均粒径が数μm~数十μmのマイクロカプセルを生成した。一般に, コーティングに用いるこれらの高分子の超臨界二酸化炭素や助溶剤として用いるエタノールやメタノールへの溶解度は極めて小さい。しかし, これら高分子の超臨界二酸化炭素への溶解度は, 助溶媒として低分子量のアルコールを使用することで20wt%程度まで増加する。これら高分子の溶解した超臨界二酸化炭素流体中では, タンパク質等の芯物質は攪拌により容易に分散できる。高分子を含む超臨界流体を, ノズルを通して高圧セルより常温大気圧下であるサンプル捕集室へ急速に膨張させることで, 高分子マイクロカプセルを生成した。膨張の後, エタノールなどの助溶媒がポリマーに対して貧溶媒であるので, 癒着のない高分子微粒子が得られた。高分子の仕込み組成を調整することで, マイクロカプセルのコーティング厚みならびに平均粒径を制御できる。
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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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