オレオサイエンス
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総合論文
超低摩擦材料としてのゲル表面
黒川 孝幸〓 剣萍長田 義仁
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2001 年 1 巻 9 号 p. 929-934,926

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抄録
生物運動の特徴のひとつは, しなやかにそして滑らかに動くことにある。驚くべきことに, これらの摩擦は摩擦係数が大きいはずのすべり摩擦であるにもかかわらず, 大変小さく, 且つその機能を生涯にわたって維持し続けられることである。もしこの秘密を解き明かすことができれば, 生物のように滑らかに動く運動素子を設計できるかもしれない。生体組織の超低摩擦特性を解き明かすには, それと似た構造を持つゲルの特性を系統的に研究することが最も近道となる。ゲルの摩擦力は固体のそれに比べると異常なまでに小さく, 固体の1/100から1/1000といった大きさであり, その振る舞いは固体の場合と本質的に異なっている。
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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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