抄録
近年, 化石資源の枯渇をはじめとするさまざまな環境問題に直面し, 循環型社会の早期実現が求められている。高分子材料分野においても植物や動物といった再生可能資源である生物由来原料からつくられる「バイオベースポリマー」が注目されている。そこで植物油脂に着目し, その利活用を検討した。脂肪酸の二重結合を利用した不飽和基含有フェノールは酵素触媒による酸化重合により漆類似塗膜を与えた○また, 植物油脂の不飽和基をエポキシ基に変換したエポキシ化油脂では無機物やテルペンとのコンポジット化により高性能・高機能バイオベースポリマーが得られた。