抄録
マイクロバブルは非常に興味深い機能を持っており, その応用分野は多岐にわたる。すでに多種多様なマイクロバブル発生器が市販されているが, それぞれマイクロバブル発生原理も異なり性能も一様でないため用途に応じて選択する必要がある。ガス吸収装置のガス分散器として通常のガス分散板の代わりに各種マイクロバブル発生器を使用した場合, ガス吸収速度は大きく改善される。また, 酸化鉄微粒子などを懸濁廃水からマイクロバブル浮上分離を用いて回収する方法やマイクロバブルの急速な溶解収縮現象を利用した固体粒子の製造も可能となった。さらに, 均一に浮遊するマイクロバブルに超音波を照射して凝集させ, 急速浮上させる技術も開発され, マイクロバブルの運動のコントロールが可能になりつつある。本稿では多分野へのマイクロバブル応用技術の一端を紹介する。