オレオサイエンス
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特集総説論文
フッ素系ジェミニ型界面活性剤
吉村 倫一
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2011 年 11 巻 9 号 p. 319-326

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抄録
ジェミニ型界面活性剤は従来の界面活性剤と比べて低い臨界ミセル濃度 (cmc) や高い表面張力低下能など優れた界面活性を有し, 水溶液中での低濃度においてプレミセル形成や自発的ベシクル形成などユニークな会合挙動を示すことが知られている。これまでに報告されているジェミニ型界面活性剤のほとんどは, 疎水基に炭化水素鎖を含むものであるが, 筆者らは, 研究例の少ないフッ化炭素鎖を有するフッ素系ジェミニ型界面活性剤に着目して研究を行ってきた。本稿では, (1) カルボン酸塩を有するフッ素系ジェミニ型アニオン界面活性剤, (2) 四級アンモニウム塩を有するフッ素系ジェミニ型カチオン界面活性剤, (3) フッ化炭素と炭化水素の異種の疎水鎖を有するハイブリッドジェミニ型カチオン界面活性剤の分子設計・合成, cmcや表面張力などの界面化学的性質ならびに水溶液中で形成する会合体の特性について紹介する。
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© 2011 公益社団法人 日本油化学会
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