抄録
酸化コレステロールに関する論文は現在まで約3,000 報近く報告されている。多様な疾病にかかわることが報告され,その生理的意義としては(1)ステロイドホルモンの合成・作用への干渉,(2)胆汁酸合成の中間体,(3)動脈硬化発症促進および抑制,(4)LXR のリガンド,(5)コレステロール合成抑制, (6)脳内のコレステロール代謝の中間体,(7)食事由来酸化コレステロールによる脂質代謝の攪乱,が挙げられる。これらの全体像を正確に把握するためには酸化コレステロールの分析が同時に再現性よく行われることが重要である。