2014 年 14 巻 12 号 p. 547-553
ビタミンKは,血液凝固因子や骨基質タンパク質の翻訳後修飾過程において必須の因子である。 しかしながら,近年になり,腫瘍細胞への増殖阻害や分化誘導,核内受容体の活性化など,新しい機能についての報告が相次いでいる。ヒトや齧歯類では,摂取されたビタミンKは生体内でビタミンK2のひとつであるメナキノン-4(ゲラニルゲラニル基を側鎖に有する)へと変換される。UBIAD1(UbiA prenyltransferase domain containing 1)が本変換に関わる重要な因子として同定されたが,変換機構の全体についてはまだ不明な点が多い。本レビューでは,メナキノン-4変換や新しいビタミンK,特にメナキノン-4の作用に関する最近の知見をまとめ,本変換の生理的意義について考察した。