2015 年 15 巻 1 号 p. 5-10
界面活性剤などの両親媒性物質が形成する自己組織体は学術的にも工業的にも利用価値が高く、多くの研究がなされている。近年、従来は不安定であると考えられていたαゲルが多くの注目を集め、様々な研究が行われている。 我々も新たにαゲルを構築しうる素材の開発を進め、その結果、モノアルキル純度を高めたアルキルリン酸が中和剤の選択により非常に安定なαゲルを構築することを見出した。 本稿では特に化粧品分野で行われてきたαゲルの研究例を示しながら、我々が見出したαゲル形成素材について述べる。