2015 年 15 巻 2 号 p. 53-60
プラスマローゲンはリン脂質のサブクラスの一種で,動物組織全般に広く分布し,食品としてもある程度日常的に摂取しているリン脂質である。しかし,その吸収に関しては不明な点が多い。またプラスマローゲンは,ビニルエーテル結合による抗酸化作用が考えられ,リポタンパク質中のプラスマローゲンによるコレステロール酸化抑制および動脈硬化症の予防効果が示唆されている。我々は,長年,このリン脂質について研究をおこなってきた。本稿では,プラスマローゲンの吸収特性と血中プラスマローゲンの動脈硬化症のバイオマーカーとしての可能性に関して紹介する。