2015 年 15 巻 2 号 p. 61-67
古くから 「規則正しい食生活は健康に秘訣だ」 といわれているが,最近になり時間生物学の進歩が概日時計の転写ネガティブ・フィードバック制御を明らかにしてきた。体のすべての細胞がその時計システムを備えており,肝臓の時計はインスリンの作用を介して摂食のタイミングにより同調を受けることが明らかとなった。そして,そのタイミングが不規則になると例えばコレステロールの異化代謝の律速酵素であるCYP7A1のリズムの異常を介して血中コレステロール濃度を増加させてしまうことが明らかとなった。 さらに,摂食タイミングは肥満など脂質代謝に大きな影響を及ぼすことも明らかとなってきた。