オレオサイエンス
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特集総説論文
嗅覚受容体の応答特性と受容体制御による匂いの感じ方の変化
難波 綾齋藤 菜穂子中村 純二
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2015 年 15 巻 9 号 p. 401-406

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抄録

我々の周りには常に匂いが存在する。匂い環境は決して一定ではなく,匂いを構成する分子の種類も,その濃度も,刻一刻と変化する。匂いを察知するセンサーとして働くのが嗅覚受容体である。嗅覚受容体は,Gタンパク質共役型受容体に属し,ヒトでは400種ほどが機能していると考えられる。さて,匂い分子と嗅覚受容体は複数対複数の組み合わせで対応付けられており,ある嗅覚受容体を活性化する匂い分子が,他の嗅覚受容体に対してはアンタゴニストとして働き,嗅覚受容体の活性化を競合的に阻害することが報告されている。本研究では,受容体の応答強度と官能との関連を明らかにするために,ヘキサン酸を対象にヒト嗅覚受容体ならびに受容体の応答を抑制するアンタゴニストの探索を行った。その結果,複数のヒト嗅覚受容体がヘキサン酸に応答することが見出され,またヘキサン酸受容体のアンタゴニストが複数同定された。さらに,ヘキサン酸の受容体アンタゴニストにより,官能評価においてもヘキサン酸臭が低減することが示された。以上の結果は,末梢レベルで引き起こされる受容体応答と認知レベルで起こる匂いの感じ方が関連していることを示すものである。

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© 2015 公益社団法人 日本油化学会
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