オレオサイエンス
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総説
中性子反射率法によるソフト界面・薄膜のその場ナノ構造解析
藤井 義久鳥飼 直也
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2016 年 16 巻 11 号 p. 535-540

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抄録

中性子反射率(NR)法は,平滑な物質界面で生じる中性子の光学的な反射現象を利用して,物質の深さ方向の構造をサブナノメートルの極めて高い分解能で,かつ非破壊で調べられる,物質の界面や薄膜の構造解析に有力な測定手法である。中性子のプローブとしての重要な特長の一つは,同位体の識別能であり,特に高分子,界面活性剤,脂質などのソフトマターを構成する主要な元素の一つである水素の同位体,即ち,軽水素(H)と重水素(D)の間に中性子に対する干渉性散乱長に大きな違いがある。このことを利用して,試料が有するH 原子の一部あるいは全てをD 原子で置き換えること(重水素ラベル)により,その物理的性質を大きく変えることなく試料中に中性子に対するコントラストを付すことができる。また,中性子は物質の透過性が高いことにより,物質内部に深く埋もれた界面を非破壊で調べることができる。 NR法は,液体表面などの自由界面を含む種々の物質界面に適用できるが,ここでは固体基板上に調製された高分子薄膜を中心とする研究例を示すことで,ソフト界面の構造解析におけるNR 法の利点を説明する。

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© 2016 公益社団法人 日本油化学会
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