オレオサイエンス
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特集総説論文
ジェミニ型界面活性剤によるαゲルの調製
酒井 健一
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2016 年 16 巻 7 号 p. 327-330

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抄録

アミノ酸系ジェミニ型界面活性剤,長鎖アルコールならびに水の三成分混合系で調製されたαゲルの構造と性質について議論する。ジェミニ型界面活性剤を用いて調製されたαゲルの特徴として,以下の実験事実を見出している(一鎖型の界面活性剤でαゲルを調製した場合との比較):①(界面活性剤のアルキル鎖数で規格化すると)αゲルの構造中に取り込まれ得る長鎖アルコールの分子数が少ない;②融点がやや低い;③水をラメラ面間に吸収し,膨潤しやすい;④同じ水量で比較すると,粘度が低い。本稿では,これらαゲルの性質が界面活性剤の化学構造とどのような相関性があるのか考察していく。また,αゲルに関する研究の将来的な方向性についても展望する。

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© 2016 公益社団法人 日本油化学会
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