2017 年 17 巻 9 号 p. 427-432
繊維の染色加工にファインバブル及びオゾン・ファインバブルを利用した。ファインバブル水を用いた羊毛布の染色では,わずかではあるが染色時間の短縮と濃色化が見られた。羊毛布の精練では,オゾン・ファインバブル水を使うことで処理温度を低くし,かつ時間の短縮が図れた。綿布では,オゾン・ファインバブル水を利用して漂白できることがわかった。オゾンガスは低温水に溶解しやすいが,常温でもpHを5に保ち,電解質成分を0.03 mol/L程度添加することで従来と同程度の白色度を得ることができた。オゾン・ファインバブルによる漂白は常温で行うため処理水を加温する必要がなく,加えて使用する薬品の量を大幅に削減することができる,環境にやさしい処理方法といえる。