オレオサイエンス
Online ISSN : 2187-3461
Print ISSN : 1345-8949
ISSN-L : 1345-8949
特集総説論文
FT-NIRによる油脂の迅速な品質管理
上田 守厚
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 19 巻 12 号 p. 507-512

詳細
抄録

近赤外分光法は,電磁波である近赤外光を未粉砕の固体・粉体や液体試料に照射し,その吸収を測定・解析することにより,定性または定量分析を行う方法である。近赤外分光法は試薬等の化学物質を必要とせず,前処理なく非破壊・非侵襲で迅速・簡単に同時多項目分析ができる利点がある。したがって原料や製品の品質管理,工程管理に重要な分析ツールとなりうる。さらに近赤外分光法は,装置をライン上(例:ベルトコンベア上)に設置するか,ラインに設置したセンサから光ファイバーケーブルを使用して反射・透過光を得ることにより,インライン・オンライン分析にも利用されている。本稿では品質管理で利用されているフーリエ変換型近赤外分析計(FT-NIR)による油脂の迅速分析について,海外の公定法の内容を交えて紹介する。

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本油化学会
前の記事
feedback
Top