オレオサイエンス
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特集総説論文
NMRによるリン脂質の定量
加藤 毅西宮 真美川田 晶子硯 弘乃介
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キーワード: 31P NMR, qNMR, phospholipid, AQARI
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2019 年 19 巻 2 号 p. 43-50

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抄録

NMR分光法は,リン脂質の研究や分析において広く利用されている測定法である。水素,炭素及びリン核のNMRが用途に合わせて用いられるが,定量試験においては,リン脂質をクラス毎に分離し て観察できる31P NMRが特に重要で ある。31P NMRによるリン脂質の測定には50年の歴史があり,既に 多くのナレッジが蓄積されている。今回我々は,低分子有機標準物質の純度を決定する方法として普及しつつある1H NMRの方法論を31P NMRによるリン脂質の定量試験法に採り入れることで,市販の極性脂質に 含まれるリン脂質(主にグリセロリン脂質)を個別かつ精確に定量することができた。その研究結果をふまえてリン脂質の定量試験について解説する。

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© 2019 公益社団法人 日本油化学会
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