2020 年 20 巻 11 号 p. 515-520
食品の「おいしさ」には,人の五感で知覚される味・香り・食感・外観といった様々な要素が複雑に関わっている。揚げ物やスナック菓子等の固形食品の「おいしさ」評価では,サクサク・パリパリという“音”で表現される食感(テクスチャー)が重要であり,これを客観的に評価する手法が開発されている。本稿では,筆者らの研究グループが開発した「食感音響評価システム」による,咀嚼を模した食品破砕とその破砕音の解析結果を中心に,“音”による食感評価方法について解説する。