オレオサイエンス
Online ISSN : 2187-3461
Print ISSN : 1345-8949
ISSN-L : 1345-8949
総説
リポソームDDS製剤開発における免疫系の制御と動態解析の重要性
安藤 英紀清水 太郎石田 竜弘
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 20 巻 2 号 p. 71-76

詳細
抄録

リポソームは魅力的なdrug delivery system(DDS)キャリアであり,抗がん剤を封入したリポソーム製剤は,既に複数品目が臨床で使用されている。リポソーム製剤を含む抗がん剤の多くは,開発段階で高い抗腫瘍効果を示したものがピックアップされ,前臨床・臨床試験に進むことが多い。しかし,抗腫瘍効果に寄与する腫瘍免疫環境の変動や薬物動態,抗体誘導に伴う副反応の発現など,臨床での薬効・副作用の発現に関わる重要な要因が評価されていない。本稿では,抗がん剤封入リポソーム製剤の開発に資するこれら評価項目の重要性について論じたい。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本油化学会
前の記事
feedback
Top