2020 年 20 巻 8 号 p. 371-375
自動車メーカー各社は電気自動車開発を強化する一方,様々な技術を結集させ,内燃エンジン車両の燃費改善検討も行われている。省燃費性の高いエンジン油の開発もその一つである。低粘度基油の使用によりエンジン油を低粘度化し,粘性抵抗を低減することで燃費向上を図るというものである。その際,摩擦低減に寄与する添加剤を配合することで更に省燃費性を高めることができる。本稿では,摩擦低減剤の一つとして広く用いられているジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(Molybdenum Dialkyldithiocarbamate; MoDTC)について述べた。