2021 年 21 巻 12 号 p. 517-523
気候変動や海洋プラスチック汚染などの問題から,再生可能なバイオマスから生産でき自然環境中で生分解されるバイオプラスチックへの注目が高まっている。ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は,一部の細菌や古細菌がエネルギー貯蔵物質として細胞内に蓄積する高分子であり,プラスチック材料として利用することができる。その中でも,特に重量平均分子量が300万を超える超高分子量PHAは力学物性に優れる材料に加工できることが知られている。本稿では,超高分子量PHAの微生物生産とその物性について概要を紹介する。