オレオサイエンス
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特集総説論文
「コク味」物質の受容機構と食品における官能特性
北島 誠司
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2021 年 21 巻 5 号 p. 173-177

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抄録

食品の「おいしさ」に大きく貢献していると考えられる味において,甘味,塩味,酸味,苦味,うま味の5基本味は食品の呈味を決定する大きい要素である。しかし,食品の味を表現する際に,上記の5基本味以外も用いられ,コクもその一つである。このコクを増強する物質の一つである「コク味」物質(kokumi物質)について,当社では長年研究を行い,近年カルシウム感知受容体(Calcium-sensing receptor:CaSR)がkokumi物質の受容に関与することを明らかにした。またCaSR高活性化ペプチドγ-Glu-Val-Glyの官能特性評価を行い,その機能性を明らかにした。見出されたkokumi物質γ-Glu-Val-Glyの機能性およびこの研究を通して明らかになってきたkokumi物質の受容におけるCaSRの役割について報告する。

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