2021 年 21 巻 6 号 p. 215-220
非平衡開放系における自己組織化について,自己駆動体を用いていくつかの事例を紹介する。本論文における自己駆動体は表面張力差で駆動され,非平衡開放系において運動を持続することができる。系に非線形性を導入すると,自己駆動体の自律性を高めることができる。これにより特徴的な自己組織化を誘発することが可能になる。ここで説明する自己組織化とは,単体の自己駆動体による振動運動,複数の自己駆動体によるシンクロ運動,さらに多数の自己駆動体による集団パターン形成,及び運動様相の分岐を指す。最近の事例を用いて自己駆動体が自律的に形成する時空間パターンの仕組みについて解説する。