2022 年 22 巻 11 号 p. 535-541
最近,油脂性食品に用いる固体成分としてのオレオゲルの構造と物性,およびその機能性に関する研究が急速に展開されている。オレオゲルでは約90%以上の液油をゲル化剤が包含するが,そのためには高温で液油とゲル化剤が混合したゾル状態を冷却してゲル化剤の緻密なネットワークを形成する必要がある。これまでの研究で,さまざまなゲル化剤を用いたオレオゲルの基礎物性が明らかにされるとともに,マーガリン,ショートニング,アイスクリームなどの油脂性食品だけでなく代替肉への応用が活発に研究されている。本論文ではオレオゲルの可能性と,食品への応用を目指す場合の問題点を整理する。