2023 年 23 巻 4 号 p. 215-219
異種物質と接する界面における高分子は,バルクの状態とは大きく異なる構造や物性を示すことが知られている。界面における高分子の構造および物性は学術的な興味の対象であるだけでなく,高分子材料の濡れ性,生体適合性,接着性,摩擦特性といった様々な材料機能を考慮する上でも重要である。界面で異方的に配向した官能基の分子振動を解析できる和周波発生(SFG)分光法は,高分子界面を観測できる有用な手法である。本稿では,高分子/石英界面をモデル系として用い,高分子のフィラー界面および接着界面をSFG分光により解析した研究を紹介する。