オレオサイエンス
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23 巻, 4 号
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特集序言
特集総説論文
  • 宮前 孝行
    2023 年23 巻4 号 p. 199-206
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル フリー

    和周波発生(SFG)分光法は,今日では表面界面選択的な振動分光法として広く知られるようになってきた。液体表面および界面での様々な物性は,表面や界面での分子の振る舞いが深く関わっており,その挙動をその場計測することが重要となってきており,SFG分光法の活用範囲も広がってきている。本稿では,SFG分光による表面界面の解析事例として,(1)天然界面活性剤水溶液の表面配向の解析,(2)ビール表面の分子配向と泡の安定性,(3)撥水性を示すアルキルシランにおける分子配向と撥液性能との関係について述べる。

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  • 井上 賢一
    2023 年23 巻4 号 p. 207-213
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル フリー

    肺胞の表面を覆う肺サーファクタントは,主成分である脂質の両親媒性により,呼吸機能の維持に重要な役割を果たしている。最近,この肺サーファクタントに含まれる不飽和脂質が空気中に含まれる程度の極低濃度オゾンによっても酸化されることを示唆する結果が報告されている。極低濃度オゾンの呼吸器への影響を明らかにする上で分子レベルでの反応機構を明らかにすることは重要であるが,技術的な難しさのためにその詳細はこれまでに十分には明らかになっていない。和周波発生(SFG)分光法は,2次の非線形光学効果に基づき分子の界面構造に非常に敏感な分光法である。特に,SFG光の干渉信号を検出するヘテロダイン検出は,従来の光強度測定と比較してより多くの情報を得ることが可能である。本稿では,ヘテロダイン検出SFG分光法の原理と極低濃度オゾン環境下における不飽和脂質単分子膜の酸化反応のその場測定への適用例について紹介する。

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  • 犬束 学
    2023 年23 巻4 号 p. 215-219
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル フリー

    異種物質と接する界面における高分子は,バルクの状態とは大きく異なる構造や物性を示すことが知られている。界面における高分子の構造および物性は学術的な興味の対象であるだけでなく,高分子材料の濡れ性,生体適合性,接着性,摩擦特性といった様々な材料機能を考慮する上でも重要である。界面で異方的に配向した官能基の分子振動を解析できる和周波発生(SFG)分光法は,高分子界面を観測できる有用な手法である。本稿では,高分子/石英界面をモデル系として用い,高分子のフィラー界面および接着界面をSFG分光により解析した研究を紹介する。

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