オレオサイエンス
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特集総説論文
セルロースナノファイバー(CNF)研究におけるDX活用の広がり:CNF形態情報の取得と複合材料設計への応用
中山 超榊原 圭太
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2026 年 26 巻 3 号 p. 101-106

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抄録

セルロースナノファイバー(CNF)は形態分布の多様性が大きく,平均量のみでは複合材料物性を十分に説明できない。とくに機械解繊CNFでは,粗大画分と微細画分の混在が物性ばらつきの要因となる。本稿では,透過光沈降プロファイリングと機械学習を組み合わせ,沈降挙動から比表面積(SSA)および形態分布情報を非破壊・迅速に推定するデータ駆動型解析手法を概説する。沈降プロファイルを速度指標および時空間ヒートマップとして表現し,勾配ブースティング回帰や畳み込みニューラルネットワークによりSSAを高精度に予測した。さらに沈降ヒートマップを用いてアスペクト比分布を推定し,粗大/微細画分に区分した形態指標とIRスペクトル由来の化学情報を統合することで,ポリプロピレン(PP)/CNF複合材料の衝撃特性を定量的に説明可能であることを示した。本アプローチは,形態分布を扱う複合材料設計を可能にするとともに,品質管理やプロセス開発に資するマテリアルDX基盤として有効である。

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