オレオサイエンス
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特集総説論文
次世代のコメ生産技術
澤田 寛子福嶌 陽
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2026 年 26 巻 4 号 p. 153-159

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抄録

日本のコメ生産は,高齢化や担い手不足に加え,温暖化の進行による生育環境の変化など,複合的な課題に直面している。とくに近年は,登熟期の高温による玄米外観品質の低下や,生産コストおよび環境負荷の低減要請が顕在化しており,従来の経験依存型栽培体系からの転換が求められている。本総説では,次世代のコメ生産技術を①気候変動適応型品種開発,②スマート生産・省力化技術,③環境調和型生産の三つの視点から整理し,主に農研機構中日本農業研究センターで得られた研究成果を中心に概説した。高温条件下でも外観品質と多収性を両立する品種「にじのきらめき」の特性と品質安定化機構を紹介するとともに,乾田直播栽培に対応した発育予測モデルの高度化や,UAVおよび携帯型分光器を用いたセンシングによる追肥診断技術について述べた。さらに,減肥栽培に適した多収品種の活用や,水田からのメタン排出低減に向けた栽培技術についても整理した。これらの知見は,育種・スマート生産・環境調和を統合的に活用することの重要性を示しており,今後の適応的なコメ生産体系の構築に資するものと考えられる。

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