抄録
著者らは新規リピドA誘導体E5531について敗血症ショック治療剤として注射剤の開発を目指し, その分散法としてpH-jump法を確立した。この方法はE 5531を0.003 mol/L NaOH (pH 11.0, PKa2以上) に相転移温度以上の50℃で分散した後, 緩衝液と混合してpH 7.3とする方法である。 E5531は水溶液中で会合体を形成し, その大きさは約20 nmであることが明らかになった。会合体の膜流動性はラットにおける体内動態とBCG/LPS処理したマウスにおける薬効 (ED50) と関係していることも明らかになった。