オレオサイエンス
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総合論文
搾油, 脱ガムの開発動向
八木 隆
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2006 年 6 巻 3 号 p. 133-138

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抄録
現在, 植物油脂の大部分は様々な油糧原料からヘキサン抽出法あるいは圧搾-ヘキサン抽出法により搾油されているが, 安全および環境の面から, ヘキサン抽出法にかわる技術に対する期待が日増しに大きくなってきている。完全圧搾法や超臨界炭酸ガス抽出法はすでに小規模な生産に利用されており, 酵素抽出法の研究も進められている。しかし, こうした代替技術は大豆, 菜種などの一・般油脂の大量生産には適していない。油の収率を高め, 生産コストをさげる研究が必要である。
一方, 酵素脱ガム法は世界各地で普及してきている。酵素脱ガム法の原理は非水和性リン脂質を水和性のリゾリン脂質に変換することである。リゾリン脂質は遠心分離により水相に容易に除去できる。酵素脱ガム油は物理精製を適用できるため, 化学精製法と比べ低コストでありかつ環境調和型の生産に適している。
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© 2006 公益社団法人 日本油化学会
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