オレオサイエンス
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特集総合論文
ビタミンE類およびビタミンKの健康栄養機能
佐藤 俊郎
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2007 年 7 巻 10 号 p. 413-421

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抄録
ビタミンEは生物界で最も重要な脂溶性の天然抗酸化剤である。心疾患死亡率とビタミンE摂取の問に負の相関があることから, ビタミンEサプリメントが広がってきた。従来ビタミンEとしては最も生理活性の高いα-トコフェロールが使用されてきたが, 食品由来ビタミンE類の重要な成分であるγ-トコフェロールとトコトリエノールに, α-トコフェロールにみられない固有の機能が証明されてきた。これらのビタミンE類の単独摂取や組み合わせ摂取の必要性も推奨されるようになってきているが, 今後, 大規模な臨床試験で効果を確かめることが望まれる。一方, 従来血液凝固の必須因子として知られていたビタミンKが, 骨粗嶺症と動脈硬化を予防することが多くの研究により明らかとなった。ビタミンKはオステオカルシンとマトリックスGlaタンパク質と呼ばれるカルシウム結合性タンパクの活性化に必須である・オステオカルシンは, 骨代謝に必須の働きを示し, マトリックスGlaタンパク質は, 動脈の石灰化を抑制する。ビタミンKのうち, 納豆の主要なビタミンKであるメナキノン-7が最も高い栄養価を有している.
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© 2007 公益社団法人 日本油化学会
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