オレオサイエンス
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7 巻 , 10 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集総合論文
  • 竹内 弘幸
    2007 年 7 巻 10 号 p. 391-397
    発行日: 2007年
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    高度不飽和脂肪酸およびオレイン酸の栄養効果について解説した。n-6系およびn-3系脂肪酸は, 生体の機能維持に必要であるが体内で合成できない。脂肪酸は, 単にエネルギー源として利用されるだけでなく, 情報伝達に重要な役割を果たしている生体膜の構成成分, プロスタグランジンなどの生理活性物質の前駆物質, および核内受容体のリガンドでもある。リノール酸のコレステロール低下作用は, 古くから良く知られている。γ-リノレン酸のコレステロール低下作用は, リノール酸よりも強力であることが報告されている。α-リノレン酸の心臓病予防に関する研究が報告されている。α-リノレン酸の高血圧改善作用が, 日本人を対象にした大規模な試験により証明された。EPAおよびDHAの摂取が, 心血管系疾患の予防に役立つことが, 多くの疫学研究によって支持されている。DHAの認知症予防や改善効果に関する研究結果が報告されている。脂肪酸の栄養効果に関する研究は, まだ発展途上である。
  • 日比野 英彦
    2007 年 7 巻 10 号 p. 399-411
    発行日: 2007年
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    脱アシルリン脂質;グリセロホスフォコリン (GPC) はリン脂質の一種であるホスファチジルコリン (PC) より2個の脂肪酸を脱アシル化した水溶性化合物である。GPCはα-GPCとも呼ばれ, そして, それはコリン補給剤として医薬品や機能性食品に用いられている。アメリカ食品医薬品局 (FDA) はコリン含有の食品やダイエタリーサプリメントに栄養素含有強調表示を承認した。GPCはPCの消化過程の分解産物であり, それはリンパ管に吸収されるが, 一部は門脈に取込まれる。GPCは生体内に存在する物質であるので安全であり, 毒性テストでも安全性が確認された。GPCは末梢投与によって中枢神経系に取込まれ, そして, それは神経伝達物質 (Ach) 前駆体として作用し記憶能の改善に役立つ。GPCの中枢機能賦活効果としては, 脳血管障害の回復, 老人性痴呆症 (認知機能障害) の軽減, 学習能の改善, ノンREM睡眠の増加などの効果が検討されている。
  • 佐藤 俊郎
    2007 年 7 巻 10 号 p. 413-421
    発行日: 2007年
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    ビタミンEは生物界で最も重要な脂溶性の天然抗酸化剤である。心疾患死亡率とビタミンE摂取の問に負の相関があることから, ビタミンEサプリメントが広がってきた。従来ビタミンEとしては最も生理活性の高いα-トコフェロールが使用されてきたが, 食品由来ビタミンE類の重要な成分であるγ-トコフェロールとトコトリエノールに, α-トコフェロールにみられない固有の機能が証明されてきた。これらのビタミンE類の単独摂取や組み合わせ摂取の必要性も推奨されるようになってきているが, 今後, 大規模な臨床試験で効果を確かめることが望まれる。一方, 従来血液凝固の必須因子として知られていたビタミンKが, 骨粗嶺症と動脈硬化を予防することが多くの研究により明らかとなった。ビタミンKはオステオカルシンとマトリックスGlaタンパク質と呼ばれるカルシウム結合性タンパクの活性化に必須である・オステオカルシンは, 骨代謝に必須の働きを示し, マトリックスGlaタンパク質は, 動脈の石灰化を抑制する。ビタミンKのうち, 納豆の主要なビタミンKであるメナキノン-7が最も高い栄養価を有している.
  • 山西 倫太郎
    2007 年 7 巻 10 号 p. 423-436
    発行日: 2007年
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    がん化学予防に関してβ-カロテンやその他のカロテノイドの影響を検討した近年の疫学的研究を, 総覧し比較した。症例対照研究とコホート研究では, 往々にして異なる結果が得られている。また, β-カロテンやその他のカロテノイドの摂取量に基づいた研究とそれらの血中濃度に基づいた研究の問でも, しばしば異なる結果が得られている。高リスクの被験者において肺がんのリスクを検討した二つの大規模介入研究は, 摂取されたβ-カロテンがリスクを高める物質であるとさえ考えられる結果を示している。全体として, β-カロテンやその他のカロテノイドについて, 化学予防のための成分としてのはっきりとした効果は見られなかった。がんに対するβ-カロテンや他のカロテノイドの化学予防の潜在力を疫学的に評価するには, それに適した被験者に対して適正な方法論で調査にあたらねばならない。そのような適切な疫学的評価を行うためには, 前もってより詳しい知見を実験によって得ておくべきである。
  • 池田 郁男
    2007 年 7 巻 10 号 p. 437-443
    発行日: 2007年
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    植物ステロールや植物スタノールは, 血清LDL-コレステロール濃度低下作用を有する。これらの有効量は, 0.7~2g/日程度である。植物ステロール/スタノールは, 小腸内腔で胆汁酸ミセルに溶解することにより, 相対的にコレステロールの溶解を減少させ, コレステロール吸収を阻害すると考えられる。植物ステロール/スタノールは吸収率が低く体内に蓄積せず, きわめて安全性が高い。これまで, 上記摂取レベルでは副作用は観察されていない。1.5g/日以上の摂取で, 血清β-カロテンやα-トコフェロール濃度が減少する場合があるが, これらビタミンが不足することはない。これらのことから, 植物ステロール/スタノールは動脈硬化症予防に有効で, 安全な食品素材と考えられる。
  • 秋久 俊博
    2007 年 7 巻 10 号 p. 445-453
    発行日: 2007年
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    天然のトリテルペンやトリテルペン配糖体には抗炎症, 抗腫瘍, 発がん予防, 血糖降下, 抗高脂血, 肝保護, 抗ウイルスや抗菌作用など多彩な生理機能が報告されている。ここではこれら多彩な生理機能のうち, 2002~2006年にかけて報告された天然トリテルペン類やそれらの構造修飾物についての抗炎症, 抗腫瘍および発がん予防機能について概説する。トリテルペンポリオール類および酸性トリテルペン類の幾つかはin vivoモデル動物実験で優れた活性を示しており, これらのトリテルペンおよびそれらの誘導体は今後の抗炎症剤, 抗腫瘍剤および発がん予防剤開発において有用な化合物とみなされる。
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