オレオサイエンス
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7 巻, 5 号
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特集総合論文
  • 田口 洋一
    2007 年7 巻5 号 p. 189-196
    発行日: 2007/05/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    長鎖脂肪酸のエステル化やトリグリセリドのアルコリシスなどの油脂化学反応への超高圧技術の適用が紹介され, 従来技術や超臨界メタノール法と比較された。長鎖脂肪酸の過剰なアルコール中でのエステル化は圧力により非常に大きく促進され, ジクロロメタン中のエステル化では, -80cm3/molもの高い活性化体積が算出された。脂肪酸混合物のエステル化においては, 加圧により鎖長の違いに基づいた選択的なエステル化が可能である。トリグリセリドのアルコリシスにおいても, ジクロロメタンや四塩化炭素を溶媒として用いると, 反応が大きく促進され, 対応する長鎖脂肪酸エステルを高収率で与える。
  • 納庄 康晴, 中島 淳
    2007 年7 巻5 号 p. 197-203
    発行日: 2007/05/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    1987年, 林らにより報告された圧力の食品加工への応用は, 画期的な新規技術として注目されてきた。しかしながらこれら一連の研究の大部分はタンパク質の変性, 澱粉の加工, 殺菌技術に関するものであり, 油脂結晶に対する効果についてはほとんど検討されていなかった。油脂は加工食品のなかで重要な素材である。われわれは高圧が油脂結晶に及ぼす影響について検討するために, さまざまな圧力条件下で冷却曲線, 固体脂含量の測定を行った。その結果, 圧力により油脂の結晶化は促進され, 結晶量も増大することが明らかになった。また, ホイップ特性も改良されることが確認された。これらは圧力晶析により油脂結晶が微細で安定化されていることによるものと考えられる。さらに圧力晶析を応用したマーガリン製造設備により得られたマーガリンを用いることで, パン, 菓子製品の品質を大幅に向上させることが可能であることが明らかとなり, 本技術は新規なマーガリン製品開発のための有用な手段であると期待される。
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